grazioso


grazioso という言葉は、わりとピアノを習い始めて初期の曲の中にもでてきます。

私は昔、「優雅に」、というふうに習いましたが、

こういう言葉のニュアンスを人に伝えるのって、

とーっても難しいと思います。


「優雅」って、果たしてどんな感じ?
子供ごころに不思議に思ってました。

イメージとしてはやはり、女性的な、繊細なもの。

una graziosa fanciulla
かれんな少女

un grazioso cappellino
かわいい帽子

con movenze graziose
上品な物腰で

関孝弘さんの本では、

「上品で、繊細な」ものの代表という事で、

ベネツィアンレースが紹介されています。

そして、そのような時間をかけた芸術作品を

身にまとうのにふさわしいのは、高貴な方たち。


このような雰囲気、優美で、
上品で洗練された「音」って?

「どんな音」か、というのは、見えませんし、
聞こえたものも一瞬で消えて行ってしまいます。
だから、それを形にして表現し、伝えるためには、
どうしてもイメージや、言葉が必要です。

そのイメージを作り上げるには、
さまざまなものを知識としてではなく、
「見たり、聞いた事がある」「体験して」
いなければ難しいですよね。

どんなものを見たら、「優美だなあ」と感じるか?
自分なりの「優美なもの」「優美な動き」
などについて、考えたり、探してみる。

レースでいっぱいに襟が飾られたドレスを着たら、
どんな気分になるか?
想像してみるのもおもしろいかもしれませんね。


ちなみに、グラーツィアさんという女性の名前、イタリアに多いそうです。
そして、
日本でも、優美 さんという名前、けっこうありますよね。

言葉は違えども、ある特定の意味あいについて思う事は、
東と西に離れていても同じみたい、というのも、おもしろいなあ、と思います。