Uomo allegro, Dio l'aiuta.
笑うかどには福来たる(陽気な人は神が助けてくれる)
音楽の国イタリア。そこであなたは空港にいそがないと、
飛行機に遅れてしまいます。
「えっと、速くってなんだっけ?あ、アレグロ!
運転手さん、アッレーグロ!ペルファヴォーレ(お願い)」
ところが運転手さんは、とつぜん陽気に歌い始めました。。。
「え~!!? じゃあ、モルト アッレーグロ!!お願い!!」
さらに大声で歌ったり、笑ったりの運転手さん。
???意味不明のあなた。。。
実はイタリア語のアレグロには、速くという意味はありません。
陽気に行きましょう!楽しく!明るく!ということなんです。
イタリア語の辞書には、
1、陽気な、快活な
2、(会話、劇などが)楽しい、快適な
3、(考え、概念が)明るい、朗らかな
(色彩が)鮮やかな
などと書いてあります。
なので、タクシーの運転手さんは、サービス精神たっぷりと
大声で歌ってたんですね。(^^)
同じ意味を表す英語として書いてあったのは・・・cheerful! なるほど、ですね。(^^)
ちなみに皆さんおなじみのバイエルでは
Allegro,Allegretto Moderato,Comodo...
といった表示が多いですが、これらに共通しているイメージは
ほどよく、心地よい。。。
Allegroに、陽気な、楽しい気分でという意味があることは書きましたが、
Allegretto というのは、その状態がちょっと穏やかな感じ。
そういう気分だからこそ、テンポは遅くはなりませんし、
「速く」でも間違いではないのでしょうけれど、
単純に アレグロ 速度記号 速く と覚えこむと、
曲のキャラクターへの理解を間違う可能性もあるということです。
日ごろ私たちが何気なく使っている音楽用語と思っている言葉も
実はイタリアの人たちが使う生きた言葉です。
そこから受ける意味、というのは、一言では説明しきれない
たくさんのニュアンスを持っていることが多いので、やはり
教える立場としては、知っているにこしたことはありませんよね。
先ほど紹介したエピソードは、
「これで納得!よくわかる音楽用語のはなし」
関孝弘/ラーゴ・マリアンジェラ共著(全音) からの引用です。
他にもいろいろおもしろい話が載ってますので、
これからも時々ご紹介したいと思います。
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